前立腺肥大症の『外科的治療法』とはどんな手術?
前立腺肥大症の『外科的治療 CVP』ではどんな手術をするの?
今回の記事では、前立腺肥大症の『外科的治療(手術)』についてお伝えします。
前立腺肥大症の治療は、薬物療法(薬物治療)と外科的治療法(手術など)に大きく分けることができ、患者さんの症状や重症度に合わせて選ばれます。
薬での治療効果が不十分な場合や、尿閉(尿が出ない)・血尿・膀胱結石・尿路感染症などの合併症(*1)がある、またはその恐れがある場合は手術が検討されます。
*1 「合併症」とは 、ある 病気が 原因となって起こる別の病気、または手術や検査などの後、それらがもとになって起こることがある病気をいいます。
前立腺肥大症に対する主な手術の方法は、肥大しすぎた前立腺組織を切除や蒸散により取り除く方法です。
多くの場合は開腹せず、尿道から内視鏡を入れて電気メスやレーザーで治療を行う低侵襲な手術が一般的です。
手術方法の選択は、前立腺肥大症の特性、患者さんの状態、医療施設の設備、術者の習熟度を考慮して選択されます。
内視鏡による手術の治療効果はいずれも長期にわたり維持され、また、開腹手術に比べて体への負担が少ないといわれています。
代表的な外科手術についてまとめておりますので、関連ページも合わせてご一読ください。
(関連ページ:前立腺肥大症の治療方法は?)
このコラムでは、代表的な外科手術の中でも『CVP』といわれる術式についてご紹介します。
CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術 / contact vaporization of the prostate )
組織に接触させてレーザー光を照射し、肥大した前立腺組織を蒸散する手術
CVPは、前立腺の肥大組織に高熱を与え、
組織中の水分や血液を一瞬で沸点に到達させて
蒸発させ、組織を気化して消失させてしまう手術方法です。
従来の前立腺肥大症手術と同等以上の効果を見込め、
より安全性の高い低侵襲手術です。
また、術中の出血が少ないことから、抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)を
服用中の方でも安全に手術を受けられます。(※2)
内視鏡による手術の中でも比較的体への負担が少ない手術方法です。
※2:内服を中断できる場合は中断して行ったほうが出血リスクが低く、より安全です。
CVP手術の流れ
①内視鏡挿入:尿道から挿入した内視鏡を通し、レーザーファイバーで前立腺にアプローチします。
②レーザー照射:ファイバー先端から高エネルギーのレーザーを照射し、組織を加熱・蒸散させます。
③手術終了:CVP後は滑らかな蒸散面となり、大きな空洞を形成することが可能になります。
手術の所要時間
1時間程度(前立腺の大きさにもよって前後します)
麻酔
下半身麻酔または全身麻酔
入院期間
3-4日程度(患者さんの状態や医療機関によって異なります。日帰り手術を行っている施設もあります。)
CVPのメリット
1.出血がほとんどなく、身体への負担が少ない
細い膀胱内視鏡かつ小さいアクションで手術が可能です。
出血が少ない手術のため、手術時間、入院期間が短く、早期社会復帰が可能です。
従来法に比べて出血のリスクが低く、手術終盤に回収する検体も無いため、より安心な術式と言われています。
2.サラサラ薬(抗血栓薬)を休薬する必要がない
出血か少なく、サラサラ薬(抗血栓薬)を飲んでいても、
内服を中止することなく手術が可能なため、手術前後の血栓症リスクを低減できます。
3.手術後の尿失禁リスクを低減できる
尿漏れを抑制する機能を持つ括約筋への負担を軽減できる手術の為、
尿失禁リスクへの負担が少ないと言われています。
4.手術時間・入院期間が短い
CVPは手術の工数自体が従来法よりも少なく、かつ、機材の操作性も優れていることから、
手術時間の短縮につながります。
また、海外では日帰り手術が可能な国もあるほど低侵襲で、入院治療の期間を短くすることが可能です。
ごく軽度の前立腺肥大症に対する治療に生活指導が選択される場合があることからもわかるように、
日常生活上のセルフケア(セルフケアのコラム)によって排尿障害による諸症状が軽減される可能性があります。
もし、排尿に少しでも不安を感じた場合は、まずはかかりつけ医に相談するか、泌尿器科を受診しましょう。
排尿のことで悩まない健康的な毎日を送りたいですね。