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Doctor’s voice #4 / 加賀勘家先生(千葉県立佐原病院)

Doctor’s voice #4

前立腺肥大症治療の専門医のメッセージをご紹介します。

 

千葉県立佐原病院(千葉県香取市)
泌尿器科 部長
加賀 勘家先生

 

『オシッコの管が入りっぱなしで困っていませんか?』

 

前立腺肥大症の影響でオシッコの通り道(尿道)が狭くなり、オシッコが出せなくなるとき(尿閉)があります。

そのままで放っておくと、オシッコで膀胱がパンパンになって苦しいだけではなく、腎臓に逆流して腎機能が悪くなったり、尿路感染症を起こしたり、大変なことになります。その時に役立つのが、通称オシッコの管ともいわれる尿道留置カテーテルです。このカテーテルを尿道を通して膀胱の中まで挿入すると、膀胱にたまったオシッコがただちに排出され、尿閉の苦しさがたちまち良くなります。
しかし、オシッコの管が必要になる方は、管を抜いたらオシッコが出せない元の状態に戻ってしまいます。そこで、本コラムでこれまでの各先生方がご紹介されているお薬の治療や手術が必要になります。

 

お薬、手術以外の第三の選択肢:清潔間欠導尿!

 

ただ、お薬の効果には限度がありますし、手術は体の状態が悪ければできないことがあります。実際に、さまざまな理由でオシッコの管が抜けずにそのまま入れっぱなしになっている患者さんも少なくありません。オシッコの管を長期間入れておくのがなぜ駄目なのかというと、オシッコの成分が析出して管が詰まったり、感染症の温床になったり、尿道が裂けたりするからです。そのため、お薬ではオシッコが出し切れないけれど、手術はしたくない、できないという患者さんに私は清潔間欠導尿を提案しています。

清潔間欠導尿は、本人、同居の家族、または、入所施設などの看護師に、1日の中で時間や回数を決めて導尿を行ってもらう方法です。始めはこんな方法はできないと驚かれる方が多いですが、私のところでは100歳近い患者さんでもご自身で普通に行っています。医学的には、オシッコの管の入れっぱなしよりも清潔間欠導尿は合併症が少なく、安全で衛生的と言われています。

 

オシッコの管のことで困ったら排尿機能専門医に相談しましょう!

 

清潔間欠導尿は決して難しいものではありません。ただし、泌尿器科医であれば誰でも教えられるわけではありません。
オシッコの管の入れっぱなしを止めて清潔間欠導尿にしたいけど、誰に相談したらよいのか分からないという方は、日本排尿機能学会のホームページ(http://japanese-continence-society.kenkyuukai.jp/ )をご覧ください。
そこに排尿機能専門医の一覧表が載っていますので、それを参考にお近くの専門医にご相談ください。

 

 

 

千葉県立佐原病院

泌尿器科 部長

加賀 勘家先生
2024.1.

 

 

 

 

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