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Doctor’s voice #6 / 平形志朗先生(岡谷市民病院)

Doctor’s voice #6

前立腺肥大症治療の専門医のメッセージをご紹介します。

 

岡谷市民病院(長野県岡谷市)
泌尿器科 部長
平形 志朗先生

 

「若返り」と“排尿”

 

 

「若返り」
古代より人々を魅了し続けてきた言葉です。

 

かつて秦の始皇帝は不老不死の薬を求め多くの錬金術師を呼び寄せ、また古代インドの支配者はエリクサー(elixir)と呼ばれる若返りの薬を追い求めていたそうです。勿論、そのような薬は今も存在しません。
ただ現代において、「若返り」の概念は単に外見の美しさを保つだけでなく、健康や活力を維持することにも関連しています。

 

私自身、“排尿障害の治療”というものは「若返り」を実感できる要素であると日々の診療を通じて感じています。
特に男性は前立腺という臓器により、少なからず年齢とともに尿勢(おしっこの勢い)が低下してきます。
前立腺肥大症という病気です。これは加齢とともに多くの方が避けられない状態でもあります。
しかし、現代では前立腺肥大症に対する手術療法は格段に進歩し、高齢であっても基礎疾患があっても手術可能であることが増えてきました。

 

当院でもレーザーを使用した前立腺蒸散術を行っており、かつての手術法と比べ格段に出血量が少なく安全に行うことが出来るようになってきています。
手術療法の治療効果は高く、治療後には20~30歳代と同様な尿勢を得られる患者さんが数多くおられます。
治療後、患者さんの喜ぶ様子は私も嬉しくなりますが、この中で「若返った気分だ。」「いろんなことに活力が湧くようになった。」との感想をよく伺います。
頻尿の改善・残尿量の低下もあり、旅行へ行くようになったと仰って頂いたこともありました。

 

秦の始皇帝もインドの王様も見つけることが出来なかった「若返り」が少なからず“排尿”の改善の中にあるかもしれません。(少々、言いすぎでしょうか。)

 

ある研究のデータから、前立腺肥大症に対する手術効果は75歳を境に低下していく方が多いそうです。
50代60代の方々も尿勢の低下を感じられたら、早めに泌尿器科を訪れて頂きたいと思います。勿論、70代80代の方も是非ご相談ください。
そして早く「若返り」を感じ、日々の活力を上げて頂きたいと思います。

 

 

最後に、昔ご高名な先生が仰っていた言葉を。
「おしっこは心のストレスを流す、自然の癒し。」

 

 

 

 

 

岡谷市民病院

泌尿器科 部長

平形 志朗先生
2025.6.

 

 

 

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